回遊性魚類の行動解析と資源管理方策に関する研究
我が国で利用される水産資源には、地域や国の枠を越え、地
球規模で海洋を移動する魚類が多く含まれています。これら
高度回遊性魚類資源の持続的利用を図るため、回遊メカニ
ズムの基礎的理解に加え、海洋環境の包括的な把握、さらに
社会科学的側面を総合した統合的アプローチによる管理保
全方策の策定を行っています。
海洋キャリアパス形成と人材育成に関する研究
海洋は、海運、海岸開発、漁業など多様な価値観が交錯する場で
あり、海洋で起こる問題はますます複雑化しています。海洋問題の
解決のためには、海洋のさまざまな分野の横断的知識が不可欠
であり、学際的知識を有する人材育成のための教育研究を行って
います。関係省庁での効率的なインターンシップ実習を推進し、学
生のキャリアパス形成がより具体的になるように努めています。
鉄を利用した藻場生態系の修復と沿岸環境保全に関する研究
沿岸域の環境・生態系の保全に対しては、森・川・海のつな
がりの観点が重視されていますが、その中で鉄の動態につい
ての関心が高くなっていると言えます。本研究では、海域の鉄
不足が海藻群落や藻場生態系に与える影響に着目し、製鋼ス
ラグと腐植物質を利用した藻場修復・造成技術の開発を行っ
ています。また技術に関する研究から沿岸生態系における鉄
の役割理解に向けた研究へと展開し、陸域や海域における鉄
を中心とした物質動態評価等に取り組んでいます。